「左の精巣(睾丸)に変な塊がある気がする」
そう気づいたのは小学校高学年のころでした。そこから放置すること10年以上、ようやく「精索静脈瘤」という病名にたどり着き、最終的に手術に至りました。今はスッキリと解消しましたが、もう少し早く受診できていれば…と振り返って思います。
この記事では、症状に気づいてから手術に至るまでの実体験と、精索静脈瘤の症状・受診の流れをまとめています。「これって精索静脈瘤?」「病院に行くべき?」と迷っている方の判断材料になれば幸いです。
精索静脈瘤とは?こんな症状に要注意
精索静脈瘤というのは、精巣(睾丸)の周りの静脈が拡張したり蛇行したりする状態のことです。血液の逆流を防ぐ弁がうまく機能しなくなって起こり、左側に出ることが多いと言われています。成人男性の約10〜20%に見られるそうで、実はそこまで珍しい病気ではないようです。
以下のような症状に心当たりがあれば要注意。 当時の私(25歳)は、3点ほど当てはまっていました。
- 左側の陰嚢が右より大きい、垂れ下がって見える
- 精巣の上に「ミミズ状」「ぼこぼこ」した感触がある
- 立ったり力んだりすると、より分かりやすくなる(特にお腹を凹ませたとき)
- 鈍い重さや引っ張られる感覚がある(特に長時間立っているとき)
- 左右の精巣のサイズ差が大きい
- 不妊治療のなかで指摘された
やっかいなのは、痛みがほとんどないことです。精索静脈瘤はほぼ無痛なので、陰部の違和感は人に相談しづらく、一人で抱え込んでしまいがちです。
私の体験:症状に気づいてから診断まで10年以上
最初に違和感を覚えたのは小学校高学年の頃。左側の睾丸の上に、ぼこっとした膨らみがある。痛くはない。けど、「なんか変なものがある」という感覚だけが、ずっとありました。親に相談する勇気もなく、「気にしないようにしよう」と自分に言い聞かせていました。
中学・高校と進むにつれ、膨らみは少しずつ大きくなっている気がしていました。それでも痛みはない。「痛くないから大丈夫なんだろう」と放置していました。
高校3年生の夏、部活を引退し、大学受験を控えたタイミングで、この悩みを解消したいと思い、泌尿器科を受診しましたが、特に問題ないと診断されました。診断には触診に加えてエコー・ドップラー検査が重要とされていますが、当時の診察は尿検査のみでした。
それから10年ほど経った社会人4年目、ふと自分で調べてみると「精索静脈瘤」という病名にたどり着きました。症状が自分の状態とほぼ一致していて、この病気について詳しく調べるようになりました。同時に「男性不妊」の可能性も知り、将来のことを心配するようになりました。
精索静脈瘤を放置するとどうなるのか
精索静脈瘤があると、逆流した血液で精巣周囲の温度が上がるため、精子の数や運動率、形に影響が出ることがあります。ただ、精索静脈瘤があっても精液検査に問題がない人もいるので、一概に不妊に直結するわけではありません。怖いのは、不妊になるかどうかも分からないまま、ただ放置し続けてしまうことだと思います。
また、自然に治ることはなく、放置すれば進行していきます。重症度はグレード1〜3に分かれていて、グレードが上がるほど精子への影響も大きくなるとされています。私自身、放置している間に膨らみが明らかに大きくなっていくのを感じていました。
痛みがないことと、問題がないことは別の話だと思っておいたほうがいいです。痛みなく進行して、気づいたときには精巣が萎縮していたというケースもあるようです。
精索静脈瘤の病院選びと受診の流れ
精索静脈瘤は触診だけでなくエコー・ドップラー検査を組み合わせて診断するのが標準的です。受診先を選ぶときは、次の3点を確認できていると良いかと思います。
- 精索静脈瘤・男性不妊を専門領域としているか
- エコー・ドップラー検査が院内で受けられるか
- 手術まで対応しているか
私が受診したのは、男性不妊・精索静脈瘤を専門とする銀座リプロ外科というクリニックです。顕微鏡下精索静脈瘤手術を多く手がけている医療機関として知られており、「精索静脈瘤 病院」と調べる中で見つけました。高校生のときの経験から、専門医に診てもらいたいという気持ちがあり、受診を決意しました。
初診の流れはおおよそ以下の通りです。
- 問診:症状の経緯や痛みの有無、既往歴などを聞かれます
- 触診:医師が直接確認します
- エコー検査:ゼリーを塗って静脈の状態と血流の逆流を画像で確認します(痛みなし)
- 診断・説明:グレードや治療の必要性について説明があります
初診で手術が決まるわけではなく、まず現状を把握するのが目的です。「いつごろから気になっていたか」「どんな感触か」などを伝えられるようにしておくと良いかもしれません。
精索静脈瘤に悩んでいた当時の自分に言いたいこと
今振り返っても、25歳でクリニックを受診しておいて本当によかったと思っています。結果的に手術をしましたが、その後は長年の悩みから解放されました。
陰部の症状を人に話すのは恥ずかしいし、診察で触られるのも怖い。でも専門クリニックの医師は同じような患者さんを毎日診ているので気にする必要はありません。
10年以上放置してきた身として言えるのは、「早く行けばよかった」ということです。この記事が、受診への一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。